45歳の既婚男性です。
歯科医とは、40年来の付き合いで、健康な歯はないに等しいです。
口臭も15歳頃から気になり、周囲からも言われます。
歯科医に見てもらい、虫歯もなく歯垢も削ってもらっていますが、一向に改善が見られません。歯周病に掛かっていて、歯茎の後退があります。
歯磨きをしてもスッキリせず、ネバネバ感が残ります。口臭絶滅マニュアルを拝見しましたが、該当している病気も有りません。
どうしたら良いか、アドバイスをお願いします。

口臭外来を専門的に、診て行きますと、「自臭症」と診断されている多くの方も、よく観察してみますと殆ど間違いなく原因にぶち当たります。
内科的に問題がないことをスクリーニングにより確認します。

内科的問題が否定されれば、あとは、殆ど口腔内に問題があります。
最も多いのは

1.虫歯や、根っこに問題のある歯の放置、舌苔を含めた歯周性疾患、口腔粘膜疾患等による、口腔内の微生物学的環境の劣化。

2.唾液の不足、咀嚼能力の欠如、もしく低下による唾液不足、ストレス等による精神的要因による口腔内乾燥。開口や口呼吸などによる口腔内乾燥。

3.食生活の乱れ、偏食。咀嚼方法や嚥下方法の悪癖。

4.歯列不正や親知らずなど、解剖学的口腔内衛生環境の悪化

5.その他、不適合な補綴物や口腔内環境悪化要因

これらについて、可能性の大きそうなものから、順次治療していきます。後は、カウセリングを行ない。専門的メインテナンスを行ないます。

>虫歯もなく歯垢も削ってもらっていますが、一向に改善が見られません。
歯周病にかかっていて、歯茎の後退があります。歯磨きをしてもスッキリせず、ネバネバ感が残ります。


おそらく、歯周性疾患の治療が不完全である可能性があります。
もし、歯石を完全に取り去り、歯周性疾患に侵された、不良な組織の除去を行ない、不良な補綴物の改善を図り、自己管理と専門的管理を行った場合、殆ど病的状態は安定し、歯周性疾患の進行を抑制できますし、口臭は改善されていきます。
歯周性疾患は、病気ではなく、老化現象の一つですから、病的状態を改善した後は、よい状態を維持するように自己管理と専門的管理が大切です。

もしも、歯周に問題がないとすれば、咀嚼に問題がある可能性があります。
唾液は、しっかりと出るでしょうか??咀嚼にどのくらい時間をかけていますか??
一度、食事の時間を計ってみてください。口臭に問題がある人は、殆どの人が食事時間が短いです。(15分〜30分未満)

一口、とりあえず20回の咀嚼を心がけてください。(これが出来ない人が殆どです)。
唾液がたっぷりでます。20回以上の咀嚼では舌を使わずに咀嚼することは不可能です。結果として、漿液性の唾液(さらさらした唾液)の分泌促進につながり、舌もよく運動する為に、舌苔がつきにくくなります。消化が進むと同時に口腔内自浄性が向上します。

また、歯磨きは、なるべく歯磨き剤を使わないでブラッシングしてください。これも、唾液促進に有効です。
食事は、なるべく繊維の多い物を食材に混ぜて食べる工夫をしてみて下さい。

あとは、口の中を精査してみないとよくわかりません。
「口臭絶滅マニュアル」は近く改訂します。



もどる