おはようございます。
現在、歯の治療中なんですが、この間金歯をはずして根の治療をうけました。
その時、はずした金歯を返していただけなかったのですがそういうものなのでしょうか?
家族の者は”それはおかしい”と言います。
確かに、金歯を入れた時に金の値段も含まれていると思うのですが、私は気が弱く先生に”金歯を返して下さい”とは言えません。
ちなみに金歯を入れた時は35,000円かかりました。こんな質問で申し訳ありませんが、ホンダ先生世間一般の事情はどうなのでしょうか?よろしくお願いします。(S.O.さん)




それは、おかしいです!!!
言ってくださいよ。恥ずかしい事じゃないですよ。
気の弱い人は、損します。私なんか、厚かましいからどんどん言っちゃいますが。

確かに、私も、患者でおったころは、あなたとおんなじ事を考えていたんで、ほほえましいですね。そういう質問は、大好きです。

あれはね、本来返すべきなんですよ。患者にしてみれば、そんな物、もらったって、換金できるすべはないし、仕様がないんで、かといって、それを使うには、セメントの屑とか混じってたりして、使いにくいし。

で、私は、患者さんに必ず聞きます。「記念にもって帰られます?」と言うふうに。で、ないとこんなとこに書けないでしょ。

10人中9人までの人が「イヤー、そちらで処分してください」とおっしゃいますが。

一人くらいは、もって帰られる患者さんがおられます。やっぱり、銭金(ぜにかね)じゃなくて、高い金払って、くやしーじゃないですか。記念にそれをもって帰って、仏壇にでも飾ってねぎらってやり、置いとけばひょっとして、高く売れんじゃーないかな。とか思うのも、ささやかな抵抗ですよ。私なら、もらって帰りますよ。

私は、抜いた歯でも患者さんに「もって帰りませんか」と聞きます。変な顔されますが。もって帰られる場合は、きれいに消毒して、標本にしてもって帰ってもらいますよ。せめてもの、患者さんへの心遣いじゃないですか。

ほんだ歯科で、患者さんからはずしたかぶせや、歯の貯蔵している写真が、地下室のどっかに飾ってありますから、悔し紛れにご覧ください。

で、こうして、患者さんが置いていかれた、あるいは、黙ってくすねた貴金属のかぶせは、溜めとくんです。ある程度溜まったら、引き取り業者がやって来て、白金、金、とか精製してくれるんですよ。それで、買い取ってくれるんです。それは、医院の収入になるんです。

私も、いつも、クリスマス前にそんな業者に出します。それでクリスマスの日にその代金を受け取る事にしてます。私のサンタさんは、皆様の不用になったかぶせだったんです。

患者の皆様から頂いた、ささやかなクリスマスプレゼントと思って毎年、密かな楽しみにしてます。ロイヤルホストとかで、ちょっとリッチなディナーとか頂く事にしております。家に、クリスマスケーキのでっかいのも買って帰ります。これも、皆様の、不要なかぶせの施しのおかげで、感謝してます。ァー、秘密をばらしちゃった。

はずしたかぶせを、先生に差し出したとしても、費用を負けてくれるわけでなし、堂々ともらって帰ってください。
言わない場合は、権利の放棄とみなされますよ。

ちなみに、金額ですが、奥歯のでっかい金のかぶせだったら、通常白金が含有されている18Kを、約3gくらい使いますので、お金に換算しますと今の相場でしたら(1グラム2,100円くらいです)精製料と手数料を引かれても、3,500〜4,000円くらいは歯医者に入る勘定ですね。

頂くたびに、「ありがとうございます」とも言えませんので、(心の中では、ちゃんと言ってます)

そんなわけです。世間一般の常識と言われましてもね、私は、歯医者としては、一般的でないので良く分かりません。

歯医者も、不況ですから、せこい歯医者にかかると、「もって帰りますか?」なんていってくれないから、もらって帰ってください。それをリサイクルショップに持っていったら買ってくれるかもしれませんよ。鑑定が難しいから断られるかもしれませんね。やってみてください。

でもね、資源は、限りあるわけですから、歯医者に処分してもらえば、リサイクルするわけで、みんなが家の仏壇の引き出しに仕舞い込んでいても、資源の無駄ですけどね。そう思って、歯医者にくれてやってください。「先生、これで、一杯やってください!」ってウィンクでもして....

余談ですが、焼き場では、どうしてるんでしょうね、うちのおやじ、口の中に、いっぱい金歯があったんですけど。お骨もらいにいっても、返してくれなかったんですが、ふと気になりだしました。関係者の皆さん、知っている方がおられましたら、教えてください。毎日毎日すごい量が出ると思うんですけど...

ちなみに、アウシュビッツでは、死体から金属を歯ごと取り出して、再利用してたそうです。
写真で見た事があります。




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