どうしてあの診療機具は「キュウィィーン」ってあんなに嫌な音を立てるのぉ?!
(熊本 H.S.さん)



なるほど、「キュウィィーン」という表現は、とても上手ですね。
あの音を聞いただけで、痛そうです。
しかし、歯医者に行くといたるところから聞こえてきますね。
なんとかならんの?という質問をよく受けます。

実は、歯医者では、エアータービンといって1分間に50万回転もする歯を削る機械を用います。
先端にドリルの様な物がついた奴ですね。昔は、歯車つかってベルトをごろごろ回しながら、あたかも、紡績工場のような機械でやってたみたいですが、あの方式では、回転数に限界があります。

そこで、圧縮空気を利用して、医院の床の下には配管が巡らされ、すごい勢いで空気が駆け巡ってるのです。
それで、エアータービンに到達すると、あの、ドリルの付け根に、小さな、風車が仕込まれていて、それが1分間に50万回転も回転するんです。ちょうど、ジャンボジェット機のエンジンのような構造ですね。その軸にダイヤモンドでできた、針みたいなドリルをとりつけ、猛烈な勢いで回転させて削ります。
だから、さほど痛くなく削れるんです。
だけど、そんな勢いで、歯を削ると熱を出して、歯がやけどして神経まで、駄目になります。実際に、抜いた歯で試すと煙や火花が出ます。それで、同時に勢いよく水を先端から噴射させ、冷却しながら削るのです。

ちょうどジェット気流のような音がしますし、それに混じって、噴出する水の音、さらには、バキュームと呼ばれる掃除機みたいな物で、その水を吸い取っています。これは、逆に陰圧にして吸い込むわけですから、すごい逆向きの音になります。

結局、圧縮ガスを回したり、逆に吸い込んだりと、患者さんの回りは、とてつもない気流の嵐の中で、治療を受けているわけです。

あれも、ある種の慣れが必要ですね。最初は、怖いけど、通ってしょっちゅう聞いているうちに慣れっこになります。

そう言えば、はじめていく前に、この音を聞いて慣れておいたらどうでしょう。

はじめていく場合に備えて、自宅で、予めこの音を体験できるようにしときます。

ここをクリックしてください。何回も聞いているうちに慣れますよ。
聞きたくない人はクリックしないように



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