現在3歳の子供の奥歯に、虫歯が出来てしまいました。

2ヶ月程前に、歯医者で検診してもらったのですが、その時、子供は口を開けるのを嫌がり、先生に歯を見てもらう──という状態ではありませんでした。
勿論、フッ素も塗っていません。
そこの歯医者では、検診程度では嫌がる子供に無理強いはさせず、子供が自主的に口を開けるまで長い目で見てくれて、2〜3回通ったのち、全然状況は変わらないので、半年後にまた来てくださいと言われました。

実は去年、瞼の裏に脂肪の塊ができ、眼科で切ってもらったのを覚えていて、医者にかかるのが苦手になってしまったようなのです。
(その治療は麻酔無しだったので、ものすごく痛かったみたいです。)それ以前にも、小児科で受ける予防接種などで、病院は嫌いな部類に入っていたのですが……。

ところで、乳歯に虫歯が出来てしまった場合、進行止め?(オハグロみたいに歯が黒くなるもの。)を、塗りますよね。
それって、素人は塗れないものなのですか?
自宅で自分でも出来るなら、子供も嫌がらないのではないかと思うのですが……。
フッ素も、出来るなら自分で塗ってやりたいです。
(気休めで、フッ素入りの歯磨き粉を使ってます。)

でも、虫歯が出来てしまったのだから、嫌がっても無理やり歯医者へ連れていき、口をこじ開けて治療してもらうしか方法はないのでしょうか?
「虫歯できちゃったから、歯医者行こうか?」って言うだけで、子供は口を押さえて泣き出す始末です。
何か良いアドバイスがあれば、宜しくお願い致します。


子供への診療に行ける取り組み方は、いろいろあります。
「小児歯科学の」基本的アプローチの取り組み方について、以前ほんだ歯科でも、2年間にわたり、ドクターと衛生士が実際に、いろいろと試みを繰り返し研究してきました。

小児歯科では、小児の診療時のアプローチの方法として、元になっているのは、ほとんどがアメリカのテキストに書かれている方法です。

アメリカ流の取り組み方は、確かに、有効なことが多いですが。
ただ、文化的なバックボーンの違いにより、一概に、小児歯科学的アプローチが全て有効であるかと言うと、そうでないケースもあります。

小児歯科学的アプローチは、基本原則として、小児の自立性を促し、小児にも、インフォームドコンセントをおこなっていくものですが。

日本では、母子関係や、文化の違い、少子化、しつけ方法の違いなどにより取り組み方が、ケースバイケースで異なってきます。

>そこの歯医者では、検診程度では嫌がる子供に無理強いはさせず、子供が自主的に口を開けるまで長い目で見てくれて、2〜3回通ったのち、全然状況は変わらないので、半年後にまた来てくださいと言われました。

むずかる、子供を、歯科治療に協力的に行うために、ステップバイステップで、管理しながら、治療が出来ていくようにしていく意味で、その医院が、真剣に、管理システム(きちっとした計画的リコール、その間における母親への口腔衛生指導)が、出来ている場合。
担当医、担当衛生士の指導下で家庭における、歯科教育をされ、定期的管理の上に、計画的治療を行っていく意味で、それでいいと、思います。こう言うケースでは担当医、歯科衛生士、母親が、協力して進めていくことが大切です。

その際の、家庭における歯科衛生教育上の注意点として、歯医者嫌いにさせないことが重要です。

歯医者は、怖いと言うイメージ作りを避けてください。歯医者さんや、衛生士さんと、一緒に、虫歯と戦おうとか。歯医者さんは、子供さんの見方であることを理解させるようにしてください。

時々、交換条件的に「歯医者さんに行ったら、ごほうびあげる」と言うような、会話をよく耳にしますが、これは禁句です。
子供は、本能的に怖がります。

むしろ、歯医者さんに行って、お口を自主的に開けることが出来たときや、何か、一つでも、進歩したことがあれば、大いに誉めてあげてください。出来ないことを叱りつけてしまうとマイナスです。
家庭でも、歯ブラシがつかえたら、誉めてあげるとか。出来ないことを責めるより、出来たことに対して誉めてあげてください。
子供は、どんどん出来るようになっていきます。これを繰り返すと、嫌がっていた、子供さんも、逆に歯医者に行くことが楽しみになったりします。

また、御両親や、兄弟への歯科への取り組み方も、子供さんに、影響を与えます。ブラッシングなどは、子供の模範になるようにやっているところを見せて、学習させるのも大変効果があります。また、ブラッシングの意味付けを、子供が理解できる話しに置き換えて、面白おかしく、聞かせていってください。


>ところで、乳歯に虫歯が出来てしまった場合、進行止め?(オハグロみたいに歯が黒くなるもの。)を、塗りますよね。それって、素人は塗れないものなのですか?

鍍銀法と呼ばれる方法で、アンモニア硝酸銀によって、歯の表面構造に還元銀皮膜を作って、歯質強化を図り、虫歯を抑制する方法です。取り扱いに慎重を要します。

最近では、鍍銀法の欠点を補いつつ、フッ素塗布の利点を生かした、フッ化ジアミン銀を塗布(サホライド)を用いられることが多いですが、いずれにしても、歯科医院でしか出来ません。理由は、前処置として、虫歯の部分を取り去ることが、必要ですし、歯茎や、若い永久歯などに用いると弊害があることがあるからです。

>フッ素も、出来るなら自分で塗ってやりたいです。

子供の虫歯治療後のフッ素塗布は、虫歯予防に最も効果があります。歯科医院で実施する方法と、市販の自宅で行う方法があります。自宅で行うフッ素塗布材歯は市販されています。自宅でされる場合は、1度、歯科検診を受けられ、虫歯が無いことを確認の上、歯科医の指導下での、使用が望ましいです。

市販のものはうがいタイプのもや、ゼリー状になったものまで、各種ありますが、歯科医院で、行うタイプの塗布材に比べ、フッ素含有量は低いので、繰り返し行うことが必要です。
大きな、薬屋さんなどに置いてることがありますが、歯科医院経由で、販売されているものもありますので、かかりつけの歯科医院に問い合わせてください。

>気休めで、フッ素入りの歯磨き粉を使ってます。

 とてもいいことだとおもいます。フッ素は、小児の虫歯予防には大変効果があります。
ずいぶん昔から、日本を除く先進諸国のほとんど、アジア各国で水道水に人為的に含有し、虫歯発生率低減に成功しています。



もどる