はじめまして。22歳の女性です。
左下の親知らずなんですが、斜めで完全に埋まっている状態です。

近くの歯科医院で診て頂いたところ、血管とか神経がたくさん集まっている管と接触している可能性があるため、某歯学部付属病院で検査してくださいといわれました。

しかし、検査のはずがパノラマ写真のようなレントゲンを一枚取っただけ。

「僕が抜歯します。」と言ったのはどう見てもインターン。若い若い先生しかいないような感じ・・・
「抜いたあと麻痺が残る事がありますがいいんですね。」と何度も何度も念押しされ、今とてもブルーです。
親知らずを抜いて、誤ってその太い管を切ってしまった場合どうなるんでしょうか?

そのようなケースはやはりあるんでしょうか???

そのインターンらしき先生には、「今まで僕はやった事がありませんが、患者さんがその第一号になるかもしれない。」と言われました。
どうか、この不安を救ってください。お願いします。
                             



> しかし、検査のはずがパノラマ写真のようなレントゲンを一枚取っただけ。

先生の技術にもよりますが、パノラマだけで抜歯できると判断した場合は、パノラマだけでもいいです。レントゲンは患者さんへの被爆量を少なくする為に最小限が望ましいからです。
ほんだ歯科でも毎日のように完全に骨に埋まった親知らずの抜歯を行なっていますが、殆どのケースではパノラマしか撮影していません。

> 「僕が抜歯します。」と言ったのはどう見てもインターン。若い若い先生しかいないような感じ・・・

大学付属病院は医療機関であると同時に、教育機関でもあります。したがって、インターンの先生が、治療にあたることもあるわけ、その場合は、必ず指導教官の指導のもとに行なわれます。
若いとか年寄りと言うのは、ドクターの技量の判断にはなりません。何年開業していても伝達麻酔(親知らずの時に打つことが多い麻酔法)すら出来ない先生もいらっしゃいますし。若くても腕のよい先生もいらっしゃいます。

> 「抜いたあと麻痺が残る事がありますがいいんですね。」と何度も何度も念押しされ、今とてもブルーです。

親知らずの抜歯は、小手術に分類され、その場合、起こりうるリスクについての説明を受けます。この同意は、大学病院では全ての親知らずの抜歯を受ける患者さんに同意を求めると思います。
したがって、抜歯によってもたらされる歯科医学的恩恵がリスク発生の危険性を上回る場合に、適応になると思いますし、その判断は、主治医の判断で、患者さんへのインフォームドコンセントがあって、はじめて成立します。
実際では、本当にそんなリスクの高い抜歯をインターンに任せることは絶対にありません。
もし、初めてのインターンが抜歯するとしたら、とても簡単なケースだと思います。

>親知らずを抜いて、誤ってその太い管を切ってしまった場合どうなるんでしょうか?

その場合は、医療過誤になります。太い管(下顎管)の中には、下顎にに走行する動脈や神経の束が走行しています。
これを誤って、切断した場合、血管を切断した場合は、ほとんどのケースは止血が可能です。
神経を切断した場合、下顎の麻痺が起こります。(切断を受けた左右のいずれか) 
完全な切断では神経は再生されないため、後遺症として唇や口腔内の感覚が無くなるなど症状が終生残ります。
少しの切断なら、最初は、麻痺が起こりますが、やがては回復します。(何ヶ月と言う単位の時もあります)
抜歯の時に、神経管が、強い圧迫を受けた場合も、しばらく(数週間に及ぶ場合があります)痺れが残りますが、やがて完治します。
もし、そのようなトラブルが発生したとしても、十分対応できる人的、設備的用意が大学病院には整備されています。

> そのようなケースはやはりあるんでしょうか???

ありますが、確率的にはめったにありません。どんな処置も失敗が許されないわけで、起こしてはいけないのですが、偶発的に起こりうる可能性はあります。したがって、リスクの高い処置では常に緊急時に対応した事を考えた上で行なわれます。そういう場合に設備的人的にもすぐに対応できるのが大学病院であるわけです。

5、6年前、親知らずの抜歯で医療過誤が発生し、下顎麻痺になったケースが大津地裁で結審されました。10年以上係争して勝訴し、慰謝料は200万円でした。

> そのインターンらしき先生には、「今まで僕はやった事がありませんが、患者さんがその第一号になるかもしれない。」と言われました。

どんな、名医も、最初は初めての患者さんからスタートするわけで、実際の患者さんの診療を行なう前に、かなりのトレーニングを積んでいます。もし、あなたの言われるようにインターンであるとしたばあい、それを指示した指導医がいるわけで、指導医の指導下での処置になると思いますので、何ら問題はありません。
ただ、その先生は、正直なだけで、そのような患者さんに不安を与えることは言ってはならないのが原則です。
そのことで、もし、あなたが不安を覚えるなら、担当ドクターの変更を申し出られればいいです。
基本的に、担当医との信頼関係が成立していない場合は、双方にとって後々、トラブルが起こる可能性があります。

そんなに、心配することはないと思います。
ただ、大学病院は一級の設備の整った医療機関であると同時に教育機関でもあるわけですから
患者さんは、最高の設備と技術陣の中で治療を受けることが出来る代わりに、教育的見地からの協力もやむをえないわけです。しかし、通常その場合もインターンが単独で行うことはありません。

御心配は無用と思います。



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