フラボノイド類とカテキン類が女性ホルモン受容体との関係

宝酒造株式会社バイオ研究所は、植物由来のフラボノイド類とカテキン類が女性ホルモン受容体と結合することを明らかにし、1998年に開催された環境ホルモン学会(京都)で発表しました。

日常生活によく使用される化学製品に由来する化学物質が性ホルモンの受容体と結合することから、ヒトの内分泌系を撹乱するのではないかと憂慮され、それら一群の化学物質は環境ホルモン等と呼ばれています。
一方、大豆に含まれるイソフラボンの一種ゲニスティンは明らかに女性ホルモン(エストロゲン)受容体と結合し、女性ホルモン作用を示し、女性の更年期障害等の予防と治療に有効とされています。


そこで、バイオ研究所では、イソフラボンと構造が類似し、人類が長年植物由来の食品から摂取してきたフラボノイドやカテキン類に着目し、女性ホルモン受容体との結合能を調べた結果を発表しています。

その結果、お茶に含まれるカテキン類やフラボノイド類の数種類が女性ホルモン受容体と反応することが明らかとなりました。

さらに、これらの結合の強さは、環境ホルモンとして疑われているノニルフェノールや、ビスフェノールAなどの薬物とほぼ同等であることが明らかになりました。

カテキン類は女性ホルモン受容体と拮抗して本当の意味での内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の悪い作用を、競合によって防ぐという大きな役割を果たしているものと考えられます。

したがって、お茶を飲むことによって、環境ホルモンの弊害を避け、かつ女性に特有の生理時口臭を始めとする女性ホルモンバランスの不調時の口臭予防にも可能性があると考えています。
(注)
内分泌撹乱化学物質:環境ホルモン(endocrine disruptor)
 生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、貯蔵、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはそのクリアランス(きれいにすること)などの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質と定義されています。