口臭の悩み解決します 九大に専門クリニック開設 
半数以上が思い込み

 朝シャンや消臭グッズの流行など、自分の「におい」を気にする人が増える中、九州大歯学部付属病院予防歯科(古賀敏比古科長)は「口臭クリニック」を開設した。口臭の成分を科学的に分析し、原因治療に当たっているが、実際は悪臭はしないのに「息がくさい」と思い込んでいる人が半数を超すことも判明。同科の於保孝彦医局長(予防歯科学)は「口臭の悩みは対人関係にも影響する。精神面のケアも含めて対応したい」と語っている。

 同科によると、歯槽膿漏(のうろう)などの病気に伴って発生する口臭のもとは揮発性硫化物。口臭クリニックでは、来院者の息を一〇CCほど注射器状の器具で採って機械で分析、同硫化物の濃度を測定する。三人の医師が実際ににおいをかぎ、機械では測定できないたばこくささなども併せて検査する。

 口臭クリニックは十月末に開設。先週までに口臭の悩みを訴える中学生から八十代までの三十四人が来院。うち二十一人のにおい成分は通常レベル以下だった。

 於保医局長によると、会話中にたまたま相手が鼻の付近に手をやるしぐさをしたことをきっかけに口臭を気にし始めた人や、対人関係がうまくいっていないのを口臭のせいだと思い込んでいるケースも。今後、専門的なケアが必要な場合には、同大医学部付属病院の精神科医とともに治療に当たることにしている。

 同医局長は「開設前は若い女性の来院が多いのではないかと思ったが、予想以上に口臭の悩みは幅広い年齢にわたっている。だれでも口臭はあるという前提で、リラックスしてもらうようカウンセリングしていく」と語っている。

 口臭クリニックは火、木曜日に開設。受付時間は午前九時から同十一時まで。口臭検査の費用は四千六百二十円。問い合わせは予防歯科診察室=092(642)6421

                                                    西日本新聞記事