口臭測定器の種類と

ほんだ歯科における機械的口臭診断方法



ほんだ歯科以外の一般的口臭外来ではどのような口臭測定法を行なっているか
及び、その問題点
ほんだ歯科「口臭外来」では、口臭の概念及び、その治療法に対する独特の考えにより、他の口臭外来にはない口臭測定方法を考案し、より精度の高い、本来の口臭測定を行っています。

この測定方法は、日本では唯一、さらには世界でも類を見ないという、独自の診断システムを利用したものです。
そのシステムの中で使用する口臭測定器も、独自の開発によるもので、治療の精度をあげることに貢献しています。

ここでは、他の、大学病院を中心として設置されている口臭外来及び、一般歯科医院の一部で利用されている機械的な口臭測定方法の現実と問題点について解説し、その後に、ほんだ歯科での口臭測定方法について紹介します。

口臭外来では、どのような口臭測定器が用いられているか?
1.大学病院における機械的口臭測定方法
ガスクロマトグラフィー
口腔内ガスをサンプリングして、そこに含まれる、揮発性硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド等の口臭原因物質)について、個々の気体について精密に測定できます。
長所
口腔内に存在する揮発性硫黄化合物に関して、ガスの種類ごとに定量的な測定を精密に行うことができる。
口臭を発生させる上記のガスのうち、特定条件における口腔内ガスの種類について判定できる。
欠点
器械の測定精度が高いため、特殊な条件(機械的再現性を求め、測定精度を上げるために、それを妨害する因子を徹底的に除去する)を設定する必要がある。
すなわち、前日から、アルコールや清涼飲料水をとらせず、喫煙もさせず、当日はしっかりと歯を磨かせて測定条件を整える為に、日常的な口の臭いは測定できない。
また、口の内部だけに発生するガスしか測っていない。つまり、呼気は測定対象とならないため、正確には、口臭を測定しているとは言えない。
したがって、このデーターだけで、口臭の有無を判定しても、その結果について患者さんの同意を得にくい。
機器が大きく、値段が高い。
2.ハリメーター(揮発性硫黄化合物測定器)
口腔内ガスのうち、口臭に関連する、硫化水素化合物を直接測定する。
長所
手軽に、口臭のうち、口腔内ガスについてある程度の精密さで、リアルタイムな測定が可能。
世界的に多くの口臭治療のスタンダード器になっている。
価格がてごろである。(アメリカでは10万円程度、日本では40万円から70万円)

ランニングコストがかからない。
欠点
測定結果の数値が不安定である。
精密な測定を妨害する因子の除去のために、特殊な条件下で測定する。
機械的寿命が短い。(一年くらいで、製造元に送り、メインテナンスを受けることが必要)
#医科向け極秘情報
国内価格60万円〜70万円で万円くらい。・・メインテナンスさせるとさらに高くつく。
賢い方法として、アメリカから個人輸入して使い捨てにすると安くつく。ちなみにアメリカでは$1000位。

輸送費は高い
3.アテイン(口腔内アンモニアガス増幅測定器)
口腔内に存在するウレアーゼ(アンモニア産成酵素)に対して基質を加え、発生するアンモニアガスを測定する、間接的口腔内ガス測定器。
長所
口腔内アンモニアガスと、揮発性硫黄化合物の間に、量的相関性がある(いずれも、口腔内細菌の活動によって発生する)ため、その時に認められる口腔内ガスだけではなく、発生する可能性のあるガスの量についても判定できる。
測定結果に再現性があり、数値が安定している。
機器の価格70万円程度
欠点
世界的には、スタンダードではない。
日本製・・・評価は今後に課題を残す。
ランニングコストがかかる。
(測定1回につき、700円程度かかる)

時々、ハリメーターとの値に相関性がない事がある。(逆にそれが意味のある場合もある)
これらの、口腔内ガス測定器における問題点(私見)
本当に口臭を測定しているのか??
一般的には、これらの装置を用いて、口臭を機械的に測定して、口臭の判定をしています。
もちろんそれに合わせて、人間の鼻による官能試験を併用していることが多いです。

しかし、官能試験は、主観的であり、測定する人や、条件によって結果が異なり、あいまいな為に、官能試験で否定された場合、いくら患者さんが訴えたとしても、これらの口臭測定器の値で、口臭を判定されます。

大学病院以外の歯科医院や、口臭を測定している医院では、おおむね、ハリメーター、もしくは、アテインのいずれか一台を持って判定しているところが多いです。

しかし、これらの機器は、その仕組みから、非常に限られた特殊な条件で測定が行われ、しかも、息を止めた状態で口の中に発生するガスを吸引して、測定しているにすぎず、その結果に基づき口臭について判定される、という点で、患者さんはとても混乱します。

そもそも口臭として感じられるものの実体は、会話とともに、吐く息をともなって、口から発生するガスの全てであるからです。このように特殊な条件下で、しかも息を止めている時に口の中に発生するガスではない事は、誰でも知っているからです。

私の考えは、もちろん、口臭を知るには、口の中のガスの分析も必要ですが、口臭を「測る」という見地からは、それは必要条件ですが十分ではありません。

口臭は、基本的に会話無しでは起こりません。例外的に会話無しで起こる口臭は、口呼吸の時に発生する口臭です。
会話の時は、呼吸を伴うからこそ、口臭がします。

ですから、会話している状況を再現し、呼吸の際に吐き出される呼気を、口腔内ガスに加えた状態での口臭を測らなくては、口臭を測定したことにはならないのではないでしょうか?

また、口の中のガスを測るにしても、ハリメーターは硫化水素化合物しか測っていないし、アテインはアンモニアです。
大学における非常に精密な測定器にしても、揮発性硫黄化合物に特定されています。

つまり、いずれの口臭測定器を用いたとしても、口臭のうちの口腔内ガスのみ、しかもその成分のごく一部しか測定できていない可能性があります。

ほんだ歯科では、口臭測定方法についても、治療を行なうたびに改良を行ない。全ての口臭を結果に反映できる、本当の、意義のある口臭測定法を多角的に追求し、これまで、従来の測定方法で口臭を否定されてきた口臭患者(ほとんどが自臭症として処理されています)の原因究明と治療とに役立てています。

ほんだ歯科口臭外来における口臭測定システム
ほんだ歯科では、上で説明してきたような、従来の診断システムについて、多くの疑問を感じ、それらは口腔内ガスの一部を特殊な条件で測定しているに過ぎず、複雑な口臭を診断するには、無理があると判断しました。そして、次のような、より正確で、患者さんのコンセンサスを得やすい、口臭診断システムを採用しています。
  (ほんだ歯科口臭外来での機械的口臭測定システムの全景)
ほんだ歯科における口臭診断システムは、世界の口臭治療現場でも、例のない方法で、現在も、何人かの専門家を交えて研究を重ねています。
これらの精度の高い口臭診断システムにより、はじめて、これまでいわゆる「自臭症」として処理されて来た患者の多くについて、実際の口臭に結びついている原因を究明することができ、大きな診断的材料が得られるようになりました。
これらの結果は、口臭患者を治療する上で協力していただく周辺内科医に対しても大きな情報提供になり、口腔的問題の解決だけでなく、他の内科的問題の早期診断にも役に立っています。


しかし、私が現在考案している診断システムでも、いまだ完全ではなく、今後データー解析を行い、さらに完全な口臭測定システムを完成できるように、日夜研究中です。

今後、これらの結果をもとに、より完成度の高い口臭診断システムを確立する事が、日本での立ち遅れている口臭治療にとって、急務であると思います。

口腔内ガス測定
ハリメーターとアテインを使う事により、リアルタイムにおける直接的口腔内ガス(揮発性硫黄化合物)および、間接的口腔内ガス(口腔内アンモニア発生因子)の測定を行ないます。

これらは、無条件で測定する(測定前の、飲食物に対する制約など無しに測定)と同時に、そのような影響因子を除去した後でも測定されます。

開発中研究中の 口臭測定器(スタディ・モデル)
第2世代(以前のタイプを改良しました。)
これは、ほんだ歯科で開発中の口臭測定器です。
改良2世代目の測定器です。
息を「ハー」とした時の全ての種類のガスの量(合計)を測定します。

この測定器では、口腔内ガスの全て(揮発性硫黄硫化物以外のガスも含む)および、呼気ガスの全てのガスの量的な事が分かります。

臭いの種類を問わず、いわゆる、会話したり、口で呼吸した時に口から出る全てのガスを測定しています。

口臭が問題にならない人の、数値と比較すると口臭の有無を判定できます。
またそのレベルを測定できます。

被検者はモデルです。
<装置の説明>

1.患者さんが来られた時、その時の口臭の状態を聞きます。
2.患者さん自身が調子が悪いと思う時、その息をこの装置に吐き出します。
3.吐く息には、水蒸気が含まれているので、測定する前に、それを取り除く必要があります。自動温度調節器により常に一定温度に維持されていて、吐く息の水分が測定機器に影響を与えないように工夫されています。
4.最初の息には口臭に反映しない死腔のガスが含まれているので、これが除去した、口臭ガスだけが検査機器に到達します
5.吐いた息は計測器で計測されます。
この計測器は、揮発性硫黄化合物だけで無く、全ての種類のガスを検知します。

6.測定したガスのうち水素ガス測定装置に到達し、ここで水素ガスが測定されます。この水素ガスは、腸管に由来するもので、つまり、口腔内に出ているおなら成分が、この測定によって分かります。

測定の際には、あらかじめ、部屋の空気の臭いが測定されていて、全体の測定結果から、その分が差し引かれ、最終的な測定結果が出ます。

このようにして、会話した時や、口呼吸の時に出てくるガスを全て測定し、そのうち、吐く息の中に含まれる、腸内由来のガスの量を測定します。

口臭には、しばしば、腸内に発生したガスが血液に溶けた後、呼吸によって肺から呼気として出たものが含まれ、それがおなら臭として感じられる事があるからです。
呼気測定診断システム(呼気中水素・メタン分析装置)
口腔内以外の原因の口臭の診断
これは、口の中のガスではなく、呼吸からくるガスの、特に口臭では問題となる水素ガスやメタンガスを正確に測ることが可能です。
システムとしては大学レベルで用いられている、ガスクロマトグラフィーです。

この装置を使う事によって、会話のたびに発生する、おなら臭や、胃に問題があって発生するガスさえも測定可能になります。

胃潰瘍・肝臓障害に伴って脳に起こる疾患・腸内異常ガス発生等の補助的診断にもなります。

いわゆる、胃や、口腔内以外の原因による口臭かどうかのチェックと内科的呼気診断が可能になります。

これは、医科領域における呼気診断装置です。


この測定器では、消化吸収障害、消化管運動機能を測定できます。

また、腸内異常ガスの発酵のレベル。

呼気に含まれるおなら臭の量も測定できます。
ほんだ歯科では、本来の口臭ガスを追い求めて、より多角的に正確に測定する事で、口臭の、より正確な原因分析を行なっています。

官能検査では、患者さんの口元から30センチの距離で、口臭を鼻で嗅いで診る検査、さらに、この距離が0センチ、すなわち患者さんが開口した状態で、口に直接鼻をつけて口臭を嗅ぐ検査で測定します。

そして、それぞれ、さらに2種類の測定方法、すなわち息をゆっくり出した場合、及び、勢い良く「ハー」と出した場合の臭いを判定します。
ゆっくり出した場合は、口腔由来の口臭の官能検査、激しく出した場合の検査は、肺からの呼気ガスを含んだ官能検査となります。
官能検査も、このようにして合計4種類が用意されています。

これらの厳しい口臭検査の結果、それまで自臭症と判断されていた大半の患者さんに、口臭を認めることになります。

口臭を測定する事は、このように大変難しい事で、しかも、患者さんの心理状態によっても影響をうけやすく、なかなか、難しいですが、このハイレベルな口臭測定基準が治療レベルの質の向上にも大きく貢献します。