舌と口臭の関係

口臭と、舌とは、切っても切れない関係にあります。
舌は、口腔内で最も大きな構造体であり、しかも呼気の通り道であるため、呼気は舌の上をなぜるようにして排気されるからです。
しかも、口臭を気にしながら会話をする時も、舌はなくてはならないものだからです。

したがって舌苔の質と量は、口臭と密接に関係します。
舌苔は健康な人の舌にも付着し、ある程度は必要なものです。

舌苔は、歯垢とほぼ同じ内容で構成されています。
舌についた食べかすや、古い細胞の垢に細菌が付着し、腐敗していきます。
この時、臭いが発生します。更に、舌苔は乳頭のすき間につまるため、味覚もにぶってきます。
また、胃の調子が悪い時や、風邪をひいた時、生理中などに口臭が気になる事がありますが、それは舌苔が発生しやすい状況になるからです。
舌苔の付着状況と、体の健康状態や、その日のコンディションとは密接に関係しあっているわけです。

舌苔の付着が、体全体にみられる基礎疾患や、体調の変化の投影である事は、東洋医学において、問診、触診、聞診、と並んで舌診が初期診断の重要な項目となっていることからもわかります。

実は、舌苔から来る口臭も、舌苔が悪いのではなくて、異常な舌苔を発生させていく、体側の要因−体調の変化や、基礎疾患や、その前兆である事が多いわけです。

舌苔を取っても取ってもすぐ付着して口臭が起こるケースでは、体側に問題があることが多い、ということから、逆に、舌苔の付着と連動する口臭は、ある種の基礎疾患や、体全体の不調の信号である事が多いと考えて、そのようなときは、心身を休め規則正しい生活をする必要があります。