だし昆布を用いた口臭抑制法
(だし昆布法)

この方法の特徴と有効な人

私の考え出す方法は、一つのことでたくさんの確実な効果があること、いつでもどこでも誰でも出来ること、安全でしかも安い!がウリです。

この方法は、一つのことで多くの作用が口臭抑制に働きます。臨床においても特に自臭症のアフターケアーにおいて有効で効果を挙げています。

口臭を防止する為には、基礎疾患や口腔内に歯周病などの直接的原因がないことに加え、口腔内の恒常性の維持や自浄性を高めている、平常時の漿液性唾液(サラサラした唾液)が出ることが不可欠になります。

これがうまくいかない緊張時などは、誰でも緊張時口臭を引き起こします。

だし昆布法は、精神的緊張が長時間持続してしまう結果、慢性的な緊張時口臭を引き起こし、その結果、平常時における唾液分泌能力が低下してしまった、長期にわたる苦しむ自臭症の患者さんが、基礎治療終了後において、唾液分泌能が回復したにもかかわらず、人前で緊張を起こしてしまう人のために考えた方法です。
実際の自臭症の治療では、最終段階にプログラムしています。
基礎的能力が回復していない自臭症の人がいきなりこれを行っても効果の低いことがあります。

口臭がほとんど問題にならない、一般の人が緊張時口臭を緩和する目的でガムを噛んだり飴を舐めたり、防臭剤を使う代わりに、この方法を用いることも大変有効です。


この方法が考案されたいきさつについて

ほんだ歯科「口臭外来」では、自臭症における、有効な治療法・治療薬・予防グッズ・予防方法について、地元の近畿大学の薬学部の先生方や、企業の技術者や研究員および、患者のボランティアの協力のもとに研究と実験を治療と平行して実施しています。

自臭症における緊張時の唾液分泌能の低下や、老人やシェーグレンを始めとする唾液分泌能が低下した人達の唾液分泌を促進する器具と補助的促進剤・人工唾液の開発も行っています。
通常臨床では、この目的のために、すでに開発されている器具によるリハビリ・漢方を用いた唾液分泌能力の促進を行っていました。

唾液分泌能が回復してきた患者に対して、緊張時における瞬間の唾液分泌能を持続させる為に、安全で目立たない方法で補助的な予防グッズを考え、1つは人工唾液の開発、もう1つは異物の刺激を利用した唾液分泌促進を模索している中で、この両者の目的を簡単に達成させることに成功しました。

この方法の考案について、ヒントになったのは、人工唾液開発におけるヒアルロン酸の有効性を考えている時、歯周病患者で入れ歯を装着しているのにもかかわらず、まったく口臭を引き起こさない老人(82才)の患者の存在でした。

この老人について徹底的な聞き取り調査による、喫食状況と生活状況を分析するうちに、その特殊な食性に注目しました。
この、本来であれば、老人性口臭のみならず歯周性の口臭がきついはずなのに、十分な唾液量が確保され口臭を引き起こさない老人は、常に、口寂しさから、だし昆布をなめていたことに注目しました。(実際に、いつも持ち歩いておられました。)
どうして昆布を舐めるのかと聞いたところ「おいしいし、口と喉が楽だから」という答えが返ってきました。
この人は経験から、昆布をなめることで、老人性の口臭や歯周性の口臭を防ぎ、口腔内乾燥を防いでいたことに注目しました。
彼女の年齢は、82才で上の4.5.欠損で小さな入れ歯をしているものの。他の歯は健全に保たれています。
しかし、どの歯も歯石まみれで、中期の歯周病状態で私が定期的に歯周管理していた患者さんです。
若い頃からの昆布を舐める習慣が、それだけの歯を残すことができた、理由かもしれないと思いました。

昆布の分析と、その利用法を工夫することで、この方法が生まれた訳です。



だし昆布法の具体的方法と効果的テクニック

(材料と準備)
だし昆布(加工されていない乾物)を

←(原寸大)このくらいの大きさにきる。
形は、角のある長方形・・・・角があること、長方形であることがポイントです。
色々な形状や大きさについて実験しましたが、これくらいが最も有効です。
(方法)
この昆布を、持ち歩き、口臭が気になりそうなとき口のなかに入れます。
だし昆布を口に入れたまま、時々、口の中でなめてみてください。舌で常に転がしている感じ・・実は、いつも邪魔なので、舌であちこち動かすようになります。
そのままの状態を維持し、決して噛まないことが重要です。
そうするといつも、サラサラした唾液が沸いてきて、口腔内の乾燥や、喉の奥の乾燥を防ぎ、かつ口臭の原因となる無意識の口呼吸防止になります。
やがて、昆布は溶けていきます。自然に溶けてなくなるまで我慢して下さい。

口に入れたまま、誰にも気付かれず、しゃべったりもできます。噛まないので目立ちません。
お茶や、お水を時折含むと、さらに効果的です。
口のなかに入れて、自然になくなるまで約30分はかかります。
なくなっても、少し水分を口に含むとさらに効果は持続します。



だし昆布法における口臭抑制作用のしくみ
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だし昆布法は、いくつもの口臭予防に対する作用があります。
効果 昆布の成分 具体的な仕組み

漿液性唾液の反射的分泌:
サラサラした酸素をいっぱい含んだ漿液性の唾液は口腔内の自浄性を高め、口臭を引き起こす口腔内ガスの揮発を防ぎます。
結果として口臭は完全に抑制されます。
異物反応 皆さんは、このような経験をしたことがあると思います。
目にごみが入ると、涙があふれてきます。
口のなかに小さな釘や、ごみが入ってくると、思わず唾液がコンコンと沸いてきて、危険なものはすぐに吐き出したくなるし、飲みこんでも安全なものは反射的に飲みこみます。
わたしたち歯科医は、患者さんの口の中で色々と作業する時、患者さんの唾液分泌に悩まされます。患者さんは型を取る時、口のなかの異物で気持悪く、あふれるほど唾液を出します。
これは、生体の異物への反射です。
この原理を応用しました。
上記のだし昆布を口に入れておくと、固くて、四角い角が異物の役割をします。
反射的にサラサラした唾液が出て、排出処理をしようとします。
したがって、異物として認識できるように、四角く角がある長方形にすると良いです。
正方形では、長方形ほどの異物感が出ません。
角が尖っている方が、よく唾液が出ます。
でも、大きすぎると、昆布は吸水して大きく膨らむ為に、適当な大きさは上記で示したくらいがちょうどです。
しばらくすると、本能的に噛み砕き昆布を食べてしまいたくなりますが、これをこらえます。
すると異物処理反応が継続され新鮮な唾液がいつも出るようになります。
適度な塩分 昆布表面の適度な塩分に含まれる。NaClは唾液腺に直接作用し、唾液分泌を促進します。
旨み しばらくすると溶出してくるグルタミン酸で、文字どおり、おいしい味で、唾液分泌が促進します。
保水作用:
水分を捉えて離さない効果です。
口腔内乾燥を防ぎ喉の奥のリンパ組織の乾燥を抑えのどの奥からモワッとくる口臭を抑制します。
アルギン酸
ヒアルロン酸
唾液には、ヒアルロン酸が含まれ、ぬめりがあるために、水分を保持し、巧みに口腔内乾燥を防止しています。
実は、昆布のぬめりは、この唾液成分のぬめりと同一成分です。
昆布から出てくるぬめりは、まさに、口腔内の乾燥を完全に防ぐばかりか、舌の付け根付近に存在する無数の扁桃や、喉の奥の多数のリンパ組織の乾燥も防止し、これらのリンパ組織の過敏な反応を抑えることにより、膿栓(喉の奥の白い粒)、および炎症産物の発生を防止し、自臭症の人の訴えの多い喉の奥から来る、いやなな口臭を完全に防止します。

さらに、適度に水分を口に含むだけで、直ちに人工唾液のできあがりで、口腔内の保水性が各段に上がります。

昆布が完全に溶けてなくなった後でも、わずかな水分を口に入れるだけで楽になります。
口臭消臭効果 キサンティン
クロロフィル
昆布には、キサンティンやクロロフィルという葉緑素がたくさん含まれ、溶出してきます。
これらは、口臭に対して消臭効果があります。
葉緑素は、防臭グッズの多くに利用されています。
口臭を正常な唾液の臭いでマスクします。 アルギン酸
ヒアルロン酸
この昆布溶液の臭いは、健康な唾液の臭いに近い臭いです。
したがって、マスク効果によって、口臭を緩和できます。

香料ではなく、自然唾液のにおいでマスクします。
口腔内新陳代謝の促進 ヨード 昆布の有名な成分ヨードは新陳代謝を促進させることで有名です。(したがって、甲状腺機能障害の人にはかえって悪影響があります。)
舌粘膜や、口腔内粘膜の新陳代謝を促進する効果があります。
舌苔の付着防止に役に立ちます。
呼気由来の口臭を抑制 繊維成分 特に昆布の繊維成分は腸内で悪臭を発生させる悪玉菌を排除することが知られています。
ほんだ歯科の口臭外来でも、食事指導により初期段階で腸内細菌叢の改善をはかります。
これは腸管由来の呼気の改善の為です。
この目的も達成できます。
口腔粘膜保護修復作用・
舌苔付着防止・舌苔除去
アルギン酸などの保湿効果により、舌の過敏反応を抑制します。(口腔内のほてりがなくなります)
含有される鉱物成分(ミネラル)のなかには、味覚障害治療にも使われるミネラルがふんだんに含まれています。
これらの作用により、弱った舌の表面も回復し、舌が常に動くことにより、余剰の舌苔がなくなり、付着も防止できます。
無意識の口呼吸の防止 昆布を噛まないで口のなかに入れていると、舌が動き。口呼吸が出来なくなるので、無意識の口呼吸による口臭をシャットアウトします。
さらに、緊張を受けていても、口のなかは常に安静状態の状態が再現され、緊張時の口つむりを防ぎます。
緊張緩和 カルシウム

マグネシウム
豊富に含まれるカルシウムはイライラや緊張を緩和することで有名です。
また、昆布法では、しゃべっても口臭がしないという安心感が、精神的緊張の緩和をもたらし、唾液分泌が盛んになります。
その結果、ますます口臭がしなくなります。

また、ストレスを受けるとマグネシウム量が減少することが知られていますが、このマグネシウムが豊富なので、ストレスの緩和につながります。
安全性 完全な天然素材で、口臭の最大の敵である界面活性剤・保存剤。色素などの異物は一切ないので安全です。
たとえ飲みこんだとしても、無害です。

その他のおまけの作用
ガン予防 ガン細胞を死滅させます 繊維成分
U―フコイダン
細菌注目されているガン細胞を死滅させるU―フコイダンが含まれています。
高血圧防止 血圧降下作用 カリウム カリウムは腎臓からナトリウムを尿中に追い出す働きを持っています。さらに、昆布をはじめ海藻類に多く含まれているマグネシウムにも、ナトリウムを細胞の外に汲み出すポンプの働きを良くして、高血圧を防止する効用があります。

このように、たくさんの効果の相互作用によって手軽に口臭を抑制できます。
さらに、安い、(効果が)早い、目立たない、いつでもどこでも対応できるメリットがあります。
またと取りすぎたとしても、取りすぎて弊害があることは一つもないばかりか、日ごろ欠乏しがちな微量元素を補うこともできます。

 

だし昆布法の注意点

自臭症に多い「甲状腺機能障害」の方や、既往歴のある方は、決して行わないようにして下さい。
禁忌であるヨードが含まれています。


この方法は、あくまでも、口臭の直接的原因を取り除き、唾液分泌能が十分に回復した自臭症患者や、日ごろ口臭がそれほど気にならない人の緊張時口臭に備えるもので、これによって、根本的に口臭が解決するわけではありません。

あるいは、一般的口臭抑制グッズのしようにより、かえって、口臭がひどくなってしまったり、口臭グッズにお金をかけたくない人の予防手段であることを忘れないようにして下さい。