口臭治療最前線 From U.S.A
The Richter Center: Dr. Jon L. Richterについて
Dr. Jon L. Richterは1992年にThe Richter Center (Philadelphia,PA,USA)を設立し、開業医としては、それまでは難しいとされていた口臭治療の治療プロトコールを確立させ、全米に口臭治療ブームを巻き起こしABCニュースをはじめ数々のマスコミや雑誌に紹介された。
口臭の基礎研究論文を発表し、学術的にも臨床的にも高く評価されている。口臭治療臨床の世界的権威として認知されるようになった。
とりわけ、安定化ClO2製剤の開発は高く評価され世界特許となりアメリカにおける口臭治療の普及と口臭産業の発展に大きく貢献した。

Tel Aviv University (イスラエル)の Pro.Mel Rosenberg.PhD 教授が口臭の近代基礎研究の祖であるとすれば、Dr. Jon L. Richterは口臭臨床の祖と言えるだろう。彼の治療プロトコールはRosenberg教授らの基礎的な研究成果をベースとして、さらに口臭抑制方法を併用した実用的なものであった。
Dr. Jon L. Richterの治療プロトコールは、開業医が商業ベースで治療できるシステムを考案したことが開業医の間に口臭治療を普及させることに成功した理由と考えられる。
開業医は他の治療と同じように、確立した治療プロトコールとそれに伴うコストパフォーマンスを加味した治療モデルが明確にならない限り、営業としての治療ができないからだ。これが、大学主体の口臭研究と民間レベルの臨床手法研究の大きな違いである。

1980年代末から、日本でも内田教授らによって本格的口臭基礎研究が行われていたにもかかわらず、臨床面で遅れをとっていたのは、開業医レベルですべての口臭患者を納得させる治療ができる十分な治療プロトコールがなかったことと、開業医における経営的な問題が解決できなかったことにある。

Dr. Jon L. Richter は The Richter Center において、口臭治療を学びたいドクターを指導し、彼の元で学んだ先生方が、アメリカ各地で口臭治療を実践的に展開していった。
Dr. Jon L. Richterと同時期に商業ベースでの治療プロトコールを完成させた California の Dr. Harold Katz らの出現は、その後、全米で3000クリニック以上にものぼる口臭クリニック展開として発展し1990年代後半まで口臭治療は大ブームになっていった。
口臭治療から身を引き、口臭産業の会社を起こし産業界に転進していったドクターも出現した。
しかし、その勢いは1990年代半ばから急速に衰退し、現在では全米に多数存在した口臭クリニックは減少しつつあり、かつての勢いは衰えつつある。
しかし、今再び第2次口臭ブームと言われ、現在も口臭治療に対する根強いニーズが存在している。

彼の考案した安定化ClO2製剤は、十分な基礎研究の裏づけがあり、その後アメリカの口臭産業に大きく影響をあたえ、色々な口臭抑制製品に応用されていった。同時に、各種の殺菌剤を添加した口臭抑制剤や洗口液が開発されていき、口臭クリニックの衰退とは裏腹にアメリカのブレスケアー市場は活気を呈している。

ほんだ歯科では、アメリカでの口臭治療展開の失敗の歴史を踏まえ、従来法ではアメリカでも困難とされた自臭症治療や生理的口臭にも対応する日本人の口臭の悩みに十分対応できる独自の治療プロトコールと口臭治療経営モデルを完成させ、2001年6月にThe Richter Center (Philadelphia,PA,USA)、The California Breath Clinic と定期的な治療技術交流を行うと同時に業務提携を締結し、国内で医科系大学研究者や細菌学者、薬学研究者・口臭産業界の技術者や海外商社関係者から組織される連携チームを作り無臭の息を追求する Excellent Breath Project を立ち上げ口臭専門治療を行うと同時に高度な口臭治療法の開発研究を行ってきた。

今回 提携以来再び The Richter Center (Philadelphia,PA,USA) を訪問し Dr.Richter先生と対談をおこなうと同時に、お互いの治療方法についてプレゼンテーションをおこないディスカッションした。

彼の現在の発展させた治療プロトコールと彼がリードして行った口臭治療展開における秘話なども聞けた。
彼の口臭治療に対する考え方や経験からくる談話は、これから口臭治療を真剣に取り組もうとする人たちに大きなインパクトを与えるであろうし、口臭で悩む人たちにも勇気を与えるだろう。

また、現在のアメリカの口臭治療最前線を知ることは、口臭治療分野の動向を示唆するものであるに違いないし、
臨床医として失敗しないために我々は今何をしなければいけないかの方向が見えてくるはずである。

Dr. Jon L. Richterの略歴
1966年 エール大学卒業[文学士]
1975年 ペンシルベニア大学歯学部卒業[歯科学士・歯周病学資格取得・歯周義歯学資格取得]
1976年 歯周義歯学資格取得
1977年 ペンシルベニア大学院卒業[解剖学博士号]
1970年〜1979年 ペンシルベニア大学歯学部教授
1966年 "口臭の診断と治療"Compendium 発刊
The Richter Center 所在地  411 North 4th Street Philadelphia,PA 19123 USA
製作中