数ヶ月前、右下の犬歯を虫歯で治療しました。そこに保険のきく被せ物をしてもらいました。

つい最近その被せ物がとれてしまい、しかもそれをなくしてしまいました。
もう一度同じ歯医者さんに行くと以下のようなことを言われました。

「とれたものが残っていればそれをつけるのですが、またそれを作るとなると実費(保険がきかず10数万円)になります。(2年間は同じ歯は治療できない..というような話でした)またとれる可能性も高いですし、犬歯の両脇の歯を使いブリッジでやりましょう」
と言われました。
両脇の歯は片方(奥)が以前に虫歯で処置をしたことがあり、全体に銀のかぶせものがしてあります。もう片方(手前)は健康な歯です。
この両方を削って3つつながったような被せ物をするとのことです。この治療も保険はきかず、30万円以上かかるとのことです。

真っ白い歯にこだわりはなく、(表面が金属なのは嫌ですが)できるだけ安く治療したいのですが、本当にこのお医者さんが言うような方法をとるべきなのでしょうか?
また保険がきく方法はないのでしょうか?


すぐ取れるようなかぶせの設計や、装着のし方に問題があります。当然ですが、善良な多くの歯科医は、無償で修復します。

「またとれる可能性も高いですし、犬歯の両脇の歯を使いブリッジでやりましょう」と言われました。
ということですが、もしそれが事実なら、最初からブリッジにしておく必要があった診断の甘さがあります。

現在保険では、補綴物維持管理料(クラウンなら1500円×自己負担率)を患者が支払い、装着後2年間は、かぶせ部分にトラブルが発生した場合、無料で保証する制度が導入されています。ただし、かぶせ部分(補綴物)に適用されるだけで、その歯の根っこの治療が必要な場合は、神経治療に限って有料です。この場合でも、値段の高い被せものについては無償です。
この制度を採用するかどうかは、歯科医院の選択によりますが、殆どの歯科医院は選択しています。そこの医院は、この制度を取り入れているのだと思います。
したがって、その歯科医も2年間は治療できないといっているのだと思います。(実際はまったくちがいますが)

装着後2年以内にトラブルが発生した場合、補綴物維持管理料を徴収しているので無償で歯科医は、修復する義務があります。

その歯医者は、本来なら無償でかぶせをやり替える義務があるのですが、やりたくないのだと思います。損失につながりますから。(しかし、これは責任を放棄したことになります。さらに、補綴物維持管理料を徴収して保証する義務があるのに、患者が知らないのを利用して、できないといっているのだ思います。この場合、ブリッジに設計変更しようとしても、保険では、患者さんにその部分の費用は請求できません。
患者にわからないと思ってそのような言い方で、自費に無理やり誘導されている可能性があります。

ブリッジにしないと、すぐに外れるような治療方針に無理があったということですし、この場合は無償で修復しなければいけません。其の為の費用は、すでに徴収されています。

対策を言います。このように主治医に質問してください。「先日、2カ月前に装着したかぶせは、外れてしまって紛失しました。先日支払いの時に、補綴物維持管理料を支払っていると思いますが、どうでしょうか?支払いの明細について説明してください。(ここで、たしかに補綴物維持管理料を払っていることを、確認してください。これが、2年間やり直し保険が適用できないという説明の根拠になっていると思います。これは、まったく事実に反する、詐欺的説明です)

確認できれば、私(患者)は、すでに2年間の補綴物の補償料とも言える補綴物維持管理料を支払ったのだから、あなたは(歯科医)は、当然無償で修復する義務があるのではないでしょうか?それでも、保険で出来ないという根拠を、納得できる説明をしてください」

もし、外れたかぶせを紛失したことについて、苦情を言われたら、このように切り返してください。

「ひょっとすると、飲みこんだかもしれません。肺に入ったかもしれません。この場合どうなりますか?」

かぶせものが誤って、誤嚥し肺に入ると、最悪のケース感染によって死亡した例もあります。

もし、この補綴物維持管理料を取っていないといわれたら、支払いの明細を確認してから、装着後2年以内は、その医院で治療を受ける限り、何回でもその補綴物に限り30パーセントオフで、作って頂けます。よそで治療を受けるとこのプライスダウンのサービスは、受けることが出来ません。

この制度は、歯をなんとか保存して行こうとする歯科医にとっては不利な制度ですが、現行では法で規定されている以上、保険医は守る義務が発生します。

自由診療ついてですが、自分の責任を放棄して、ペテン師まがいの事を行なう連中に、まともな自費診療は望めないでしょう。

このようなことがまかり通るなら、数ヶ月以内取れてしまう時限爆弾のような、かぶせを一杯作って、2年以内に保険では出来ないと言って、自費診療に誘導しますよ。

ひょっとしたら、そこでは、わざとすぐに取れる、保険のかぶせを作っておいて、自費を勧めているのでしょうか?

ドクターに対して、疑問をただし、質問することを遠慮することは、感謝し尊敬することとは異なります。後々信頼関係を壊すことにつながり、トラブルの原因になります。
また、不正な行為は、正しい医療を監視する意味で、患者サイドから正していかなければいけません。

医療サイドからの浄化は、きわめて閉鎖的で不透明で困難なことが多いです。
それと正しい制度上の知識や、病気に対する知識を持っておかないと、患者さん自身が不利益を被ります。騙されないようにしてください。


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