過去色々な医療事故が起きている中、補綴物による事故もいくつか、見受けられますが、これらの裁判でも、技工士に関する事柄が一つも見受けられませんが、技工士には何の責任もないのですか。
出来ればそのへんの事を、教えてください。

技工物の作成は、歯科医師が判断し、医学的根拠に基づいた機能的回復を目的に、生体への影響を配慮した上で、技工士に(指示書によって指示し)作成されるものです。
技工士は、その指示書の指示どおり作成する義務があります。その時の根拠は、あくまでも技工上の技工的知識と判断によって作成します。決して患者さんの医学的根拠による技工士独自の判断は介入しません。

たとえ、技工士が技工上の不備があると考えても、歯科医師の指示である場合、忠実に作成しなければいけません。(歯科医師は、医学的判断と技工上の知識での判断し、指示しているはすだからです。)

本来的には補綴物も歯科医師が作製するべきもので、歯科医師が技工士に発注する場合は、歯科医師の指示書に忠実に作成されるものだと思います。

技工士が作成した補綴物は、未完成で、出来あがりを、セットする場合において、さらに調整を行ない、歯科医師の最終責任と判断によって装着される直前の状態が完成品です。
したがって、補綴物として完成させた歯科医に製造者責任も発生します。

それを、表現する法的根拠としてはありませんが、保険の場合補綴物維持管理料を、患者から徴収しています。(多くの歯科医)セット後に、補綴物をやりかえる場合2年以内は補償する制度です。

セット後2年以内にトラブルが発生した場合、無償で患者さんに補綴物を作成します。

この場合でも、技工士は、歯科医から技工を発注した場合有料になります。技工士が連動して、無償で作製することはありません。このことからも、技工士はセット後の補綴物に関して責任を負っていないことの根拠になります。

その代わり、セット前に指示どおり技工物が出来ない場合や、補綴物に鋳造時の欠陥などがあれば、無償で再製しなければなりません。この契約は、歯科医と技工士との契約であり、技工士と患者さんの契約ではありません。

したがって、医療裁判において、技工士が責任を追求される可能性はないと思います。


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