インプラント治療を受けようと、思っています。
上の前、左右の第1です。そして、その横の第2(これも左右)を差し歯に、と思っています。いまは、第1の左右2本欠損でブリッジをしています。虫歯のため、やり直しをしなければなりません。それで、インプラントを、と考えました。

ある歯科医の先生は、インプラント35万×2本、セラミックの差し歯7万×2本で84万円と言われます。
また、一方の先生は、インプラント23万×2本、セラミック8万×2本で62万円と言われました。どちらの先生も、丁寧に説明くださり迷っています。

勿論、同じ技術を提供してくださるのなら、安い方でお願いしたいと思ってしまいます。インプラントの相場からして、どちらを選べばよいのでしょう。この値段の差は、材料にあるのでしょうか?どうか良いアドバイスを下さい。お待ちしております。

インプラントに限らず自由診療の価格は相場があってないようなものです。

とりわけ、インプラントは、最新医療で一種の異物による臓器移植とも考えられ、注目されていますが、一方で術式が簡単な割りに利益率が大きいことから、安直にインプラント治療を勧める歯医者が急増しています。

適応症例の誤りやメインテナンスが不充分でトラブルを起こすケースも目立つようになってきました。
費用に関するトラブルも多く寄せられます。
 
>勿論、同じ技術を提供してくださるのなら、安い方でお願いしたいと思ってしまいます。
 
インプラントの技術そのものは、さほど難しいものではありません。
インプラントにも、色々な方式があり、それぞれ、一長一短があります。
技術と言ってもピンきりで、素人からはその技術レベルを推し計ることは不可能だと思います。
さらには、インプラントは、その後のメインテナンスが非常に重要になってきます。(むしろ、術後のメインテナンスの方が重要かもしれません)
 
インプラントをはじめとする自由診療価格の決め方は
材料費+技術料++経費(場所代、消耗品、従業員経費など人件費、その他の経費)+利益
で決まります。医院の経営方針により、異なります。これは、他の商品を買ったり、サービスを受ける時と同じです。
材料費以外をどうするかによって、価格は異なってきます。
たとえ、技術水準が低くてもブランド志向で高い目の料金設定(それなりのサービスがある)のところもあれば、薄利多売で本数を稼ぐ歯医者もあります。
技術は、一定ではなく、うまいから高いとも限らず、値段は選択の基準にはならないです。
 
それでは、どうして、インプラントの先生を選ぶかですが。
 
@インプラントにしなければいけない必然性と根拠について、他の方式に比べた場合についての比較説明があること。
(比較説明)
Aインプラントの危険性についても説明が十分であること。インフォームドコンセントが十分である。
B十分な経験があること。(これは、判断しにくい。)
C手術にふさわしい設備ができている事。手術室や消毒設備。
D失敗した場合はどうするか、将来駄目になった場合の事などに十分な説明があること。リスク管理やフォロー体制が十分ある。
E歯科衛生士がいて十分なアフターケアーが受けられる体制である事。
Fそこの患者に評判を、できる限り収集する。(過去に問題がないか=この分野は、トラブルが多発している。)
G経営母体がしっかりしているか?(と中で倒産したりしたら、誰が面倒見るのか?)
H料金体系が明瞭で、契約書や、保証書、などが取り交わせる。いざという時の契約書は必ず取っておいたほうが良い。
Iリコールシステムが充実している。
Jけばくない、診療室にふさわしいインテリア
 
こんな先生は要注意
@これでもか、と言わんばかりに「インプラント」の良い事ばかりを言う。
また、診療室にいたるところに、イメージ写真やリーフレットがある。
A「インプラント認定医」とかは、当てにならない。学会の正規の物もあれば業者が出す物もある。もちろん英語であっても同じ。惑わされてはいけない。
B先に、金を払うシステムになっている。
C診療室がホテルか高級クラブのようなインテリア(技術を雰囲気でカバーする)
Dよく、宣伝している歯医者(良いところは、宣伝しない=口こみだけで、いっぱい)
E危険性について質問しても、良い事しか言わない。
F領収書なしなら、負けてくれる歯医者=不正=経営が放漫=いいかげん
G口だけの契約(契約書も、保証書もない)
 
 
以上のような点を参考にして、最後は、強い信頼関係が結べる歯科医を選んでください。値段の安い高いは、選択の基準にはなりません。
 
インプラントの注意点
私は、もし、自分の患者にインプラントして、その人が将来、歯医者に通えなくなったとき、あるいは、成人病になった時(殆どの人がなるかもしれない)、ついには、寝たきりになったとき、とても責任を持ったメインテナンスをしていく自信ががないし、永久治療とは思わないので、行いません。インプラントしなくても他に安全な確実な方法があると思うからです。
また、私自身もインプラント治療は今の状態では受けたくないので。

インプラントをする場合、将来、成人病や寝たきりになった時は、とても危険な状態になる事をお忘れなく、メインテンスに励んでください。インプラントをした後は、規則正しい生活で、成人病を予防して、プラークコントロールに励んでください。(専門的歯周管理を受けつづけることが条件です。)
そうでないと、何かトラブルが発生したとき、患者のせいにされてしまうことがあります。


もどる