はじめまして。
ついさっき会社の近所の行きつけ歯医者に行って、おびえきっている者です。
ぜひアドバイスをお願いしたく、メールさせて頂きました。
3年ほどかかって親知らずが4本生えてきたのですが、左下の歯の部分が半年に1度は腫れます。
これまでは3日から1週間ほどで治まっていたのですが、今回は歯茎が腫れているのではなく、噛み合わせてすり合わせたときに隣の歯と顎が痛む状態です。
上の歯と歯茎がぶつかってはいるのですが、歯茎は痛みません。
歯医者さんによると、噛むときに常に上の歯に当たっているから、このままだと歯が生えず、時々腫れるのをくり返すばかりになる、ということなのです。
右下の親知らずも、これまで数回腫れたのですが無事に生えてきたので、出来れば抜かずにおいておいて生えてくるのを待ちたいのですが、生えかけのまま止まってしまう事ってありうるのでしょうか?
来年に結婚をひかえていることもあり、口内のトラブルは無くしておきたいのですが、”抜く”ということにとても抵抗があります。
こういったケース(ケース分け出来ないこととは存じますが)は、抜くしかないのでしょうか?
また、噛み合う相手のない下の歯が生えてきたら、やはり後々抜くしかないのでしょうか?
できれば至急にお返事頂けるとありがたいです。(明日抜く予約入れてしまいました!ひええ)
よろしくお願い致します。
(大阪府 Mさん)




親知らずの問題は、最近とみに様々な障害をもたらしています。

親知らずは、生えてくるのが、20代前半なのですが、顎の発育とのアンバランスがわるいせいか、親知らずの痛みを訴える人、顎関節に異常のある人、歯並びの悪い人が急増しています。

親知らずの崩出力(はえようとする力)は、かなり大きく。生えるスペースがないにもかかわらず、生えてこようとします。
その結果、手前の重要な歯を押し倒す結果となったり、上下の噛みあわせにずれが生じたり、結局、親知らずが生えてきても、全体の噛み合わせが悪くなり、噛むとはぐきに損傷を与え、噛めない状況になります。

そのストレスから逃れようとして、無意識に無理な噛み合わせをするため、ひいては、顎関節症を招く結果となることもあります。

また、不完全な状態で生えてくる親知らずは、不潔域と言われる、細菌学的にどうしてもきれいにならない空間を作り、清掃不良となり、口腔内の衛生状態は、著しく低下し、智歯周囲炎(いわゆる親知らず周辺の炎症がたびたび起こる結果となり)を、引き起こしたり、重症の場合は、顎全体に腫れ上がって骨膜炎、あるいは、全身への波及も心配される蜂窩織炎を起こしかねません。

この場合頻度は低いですが、進行して敗血症から肺炎などの重篤な状態になる事もあり、適切な時期に適切な処置が必要となります。

また、口腔内全体の衛生状態がきわめて悪化するために、歯周病を促進させたりする要因にもなります。また、しょっちゅう膿が出るため、頑固な口臭のもとになったりします。

親知らずに関して言うと、適正な状態で生えてこない場合で、他に障害を与える場合、ましてや、炎症を繰り返すような場合は、早く抜歯されたらいいかと思います。

親知らずでも、正常に機能している場合、あるいは、症状の無い場合や、他に悪影響をもたらさない場合、手前の歯が抜けていたりしてブリッジの土台に使えそうな場合、自家移植として使えしそうな場合は、必ずしも抜歯しなくてもいいと思います。

歯は、確かに抜く事は、よくありません。しかし、親知らずに限っては、顎の発達とのバランスの上で、考えていくべきだと思います。

歯列不正の場合、矯正を行ないますが、スペースを確保するために、小臼歯を4本抜歯する事もあります。また、後戻りを防ぐ目的で、親知らずを抜歯する事もあります。

女性の場合、特に、障害をもたらす可能性のある親知らずを放置していると、深刻な事態に陥ります。
もし、妊娠中に、急性の親知らずの炎症が起こった場合、妊娠時期によっては、非常に難しくなり、時に、全身に影響を及ぼすような場合は、やむを得ず、麻酔による抜歯や、感染防御のために、薬物を服用せざるを得なり、胎児への悪影響を配慮しながらの治療という事になります。

妊娠の可能性がある場合は、最寄りの歯科医院で、治療をすべて終了させておいてください。

私の意見としては、その先生の方針に間違いがないように思われます。




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