えーこんばんわ。
私は、週に2,3回フィットネスクラブに通って鍛えてるんですが、最近筋力トレーニングの負荷を大きくしようかな、と考えてます。(・・といってもオリンピックに出るほどじゃありませんが)そのことを友達にいうと、「自分、歯わるいから、あんまり力でーへんで。ムリムリ。今までどおり軽いヤツで回数多くしたら?」っていわれました。
確かに歯は悪いです。
かみ合わせが悪いと力がはいらない、というのは聞いたことがあります。
歯の悪さと力の入り具合って因果関係が多少なりともあるんでしょうか?
それと、ものを食べたりしたとき歯が受ける衝撃ってどれくらいあるんでしょうか?
最近気になってます。よろしくお願いします。

スポーツと噛み合わせは、密接に関係しています。
一流選手は、素晴らしい噛み合わせを持っています。

ほんだ歯科には、近畿大学のラグビー部、ボクシング部、柔道部、卓球部などの選手が来院されます。
口の中の噛み合わせを見ると、その人が、レギュラーかそうでないか、或いは、有能な選手かどうかの予想がつくぐらいです。たいがい、聞いてみるとあたります。

「歯を食いしばって、頑張る」といわれるように、噛み合わせと、集中力、瞬発力との間には、密接な関係があります。

これは、スポーツにおける緊張やストレスを感知する脳の支配領域と、無意識の噛み合わせに関与する脳の支配領域が、隣接している事に、原因します。
したがって、ストレス(運動時における集中時)や、緊張を感知すると、無意識に強く食いしばります。食いしばることにより、集中力が高まり、大きな力を出せるようになります。というように、密接の連動しています。
日常的に経験することでは、例えば、短距離走で、スタートラインで、出走のピストルの音を待っている瞬間とか、思わず、歯を、食いしばっています。

さて、日常の噛み合わせには、歯に、どのくらいの力がかかる ということですが。

普通の食事をしている時。(咀嚼時)では、食べ物の種類によって異なりますが、例えば、せんべいでは、平均8.5kg、するめで12.4kg、カステラで7.0kg、平均10kg前後と報告されています。

スポーツなどによって発生する最大の噛みあわせから受ける力では、前歯で、10〜25kg、犬歯で14〜35kg、小臼歯で20〜40kg、大臼歯(奥歯)で40〜90kgという報告があります。
スポーツの種類によっても、歯にかかる力の差があります。重量挙げなどでは100kg以上が瞬間にかかる事が報告されています。

さらに、左右の噛みあわせにアンバランスが生じた場合は、最も、力を発揮するための姿勢の保持も、困難になります。

噛み合わせが悪いまま、スポーツを続けると、顎関節症、頭痛、肩凝り、などを引き起こします。

このような、噛みあわせの補正や、スポーツを行なう上での偶発的事故によって歯を外傷から守るために、スポーツ用マウスピースを着用すると、歯・顎・頚部・頭部の外傷・傷害の予防、格闘技などでの、歯による相手への外傷・傷害の予防が可能となります。そればかりか、運動能力が向上するのではないかと考える学者もいます。
マウスピースを装着することにより噛みあわせの高さが高くなり、より、よく噛み合わせられるからだと考えられていますが、正確な結論は出ていません。
経験的に運動能力が高まるように思われます。ただ、学術的結論には至っていません。


また、チューイングガムなどを、噛むことなどは、集中力を高め、運動能力を高めることが知られています。アメリカのメジャーリーグの野球選手などはよく試合中にガムを噛んでいるのは、そのためです。

このように、噛むという機能は、運動能力にとっても重要な因子で、最近は、スポーツ歯科という、新しい歯科医療分野として確立されつつあります。また、研究も、進み専門的ケアーを行なわれるようになってきました。



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