今年40になる男性です。ここ数年娘から口が臭いと非難を浴びています。そう言えば、手を口にかざし、ハァーとやると確かに臭います。思えば、口臭が出始めた時期が、痰が喉にから見始めた時期と一致しているような気がしますし、痰のにおい(直接嗅いだわけでないですが)とそっくりのような気がします。口臭と痰の関係、その対処法ありましたたら、教えて下さい。

この質問は、BBSより移植しました。

痰との因果関係は有ります。
ちなみに、そのような人に抗生物質を5日ほど飲んでもらいますと、口臭はぴたっと無くなります。
口腔は、奥の方は咽頭に繋がり、舌の根本(舌根部)には無数のリンパ組織、および咽頭や偏桃、喉頭部分には5つほどの大きなリンパ組織より構成され、口や鼻から入ってくるばい菌に対して、防衛しています。

口腔はそれほど、免疫という観点からすると重要であることを意味しています。なぜなら、病気の原因は殆ど口や鼻を介して体内に侵入するからです。

これらの、咽頭の免疫(体の最初の防衛機能)に先駆けて、さらにそれを助けるために、鼻と口が重要な役割を果たしています。

通常空気が体内に侵入する経路は2つあります。
呼吸は鼻でおこないます。したがって、鼻腔では、まず鼻毛で大きな異物をろ過し、鼻汁によって体外のばい菌やウィルスを殺します。あるいは、外部に排出します。

しかし、会話時だけは、口呼吸になってしまいます。(人間だけが口呼吸する宿命を持っています)この場合、口腔内で働く免疫機構が唾液です。

したがって、会話の時以外に口呼吸する人は、のども弱く病気になり易く(特に、アトピーや喘息、気管支疾患)口臭にも陥り易いことが理解できると思います。
唾液は、それ自体で免疫力を持っているだけでなく、咽頭や喉頭の重要なリンパ組織に潤いを与え、乾燥を防止する働きがあります。

唾液には特殊な免疫物質が強化されています。食事を介しても危険な物を取り込む可能性が有るからです。
ガンマーグロブリン(免疫の本体)が含まれ、その他にも様々な殺菌酵素が含まれていて口から侵入するばい菌やウイルスにたして抵抗しています。とてもこの力は大きいです。どんな、ウイルスも抗生物質は無効ですが、唾液はウィルスに対しても有効です。

こうして鼻や口でろ過された外からの危険な侵入物質をさらに、たくさんののどにある免疫器官で再度、ろ過してから、肺や胃に送る構造になっています。

>痰が喉にから見始めた時期

おそらく、この時期から、年齢的に老化現象で、口腔内の免疫機能の低下と(この場合、成人性疾患が関与していることも有ります)ストレスによる自然唾液の減少による口腔内免疫力の低下が関与している可能性が有ります。
痰は、これらの総合的な免疫反応の結果、のどの奥や、気管支で作られる最終産物です。
気管支で作られた痰は少しずつ送られてきてのどの奥に到達すると反射的に排出されます。
唾液不足等から口腔内免疫が弱体化すると、これらの防衛反応はのどの奥の免疫器官および、気管支にすべてを委ねなければなりません。したがって、痰が増えます。
唾液不足が起こると、口腔内の自浄作用が衰えて、歯周病を促進したり、舌苔の過剰な付着が起こったり、口臭を引き起こす原因を作っていきます。

>痰のにおい(直接嗅いだわけでないですが)とそっくりのような気がします。
痰の内容は、免疫細胞の残骸+バクテリアの死骸+細菌+剥離した細胞
+血液成分等によって構成され、これは、口臭を引き起こす直接的原因と同じ構成の物です。
しかし、痰自体は気化しないので、たとえ口腔内にあったとしても、それ痰自体は臭いません。

以上が、痰の出現と口臭の発生時期の因果関係ではないかと推測します。

歯周病が進展していないか、ストレスや、他の成人病によって、唾液不足が生じていないかチェックして下さい。

それぞれの原因が、わかれば、必ず対応できます。