先生のHPで嫌気性菌が増殖するとお口の中の蛋白質や脂肪を分解し嫌な匂いを作り出すようですが本来 口は空気の流れる場所なはずです、なぜそこに嫌気性菌が増殖するのですか?
単純な質問ですがよろしくおねがいいたします。
 口臭を取り除くには、口呼吸を多くすれば嫌気性菌が増殖が抑えられるのでしょうか?

 >口は空気の流れる場所なはずです、なぜそこに嫌気性菌が増殖するのですか?

歯茎の回りの溝(歯肉溝)や、舌の深い溝や裏側、舌の側方の粘膜との付着部分、合っていない不適な補綴物(かぶせ)、あるいは、歯列不正(歯並びの悪い場所)のある歯と歯の隙間、噛み合っていない親知らず周辺など口の中は、空気がいつも通り抜けていても実際には、有効な酸素の濃度が極端に少ない個所が存在しています。

いかに、口の中を空気が通りぬけたとしても、空気中に含まれる酸素濃度が少ない事と、細菌に対してその酸素が影響を与える(嫌気性菌の増殖が抑制される)ためには、酸素が気体の状態ではなくて、唾液に溶けた状態でないといけません。

口腔内への有効な酸素の供給は、新鮮な唾液によってもたらされています。したがって、食事以外の時も 絶えず、新鮮な唾液が口に中に分泌されていて、酸素が補給されているわけですが、この食事以外の時に自然に分泌される唾液が少なくなると、口腔内は酸素不足になり、より嫌気的環境を作ることになり、口臭の原因菌の増殖をうながします。また唾液本来が持つ殺菌作用や、希釈作用、自浄作用も衰えて、口臭がひどくなる訳です。

健康な人でも緊張が持続すると自然に分泌される唾液循環が止まり、口腔内は一時的に酸素不足になり、自浄作用を失い緊張時口臭を引き起こします。
これも、このような理由から起こります。

口呼吸を多くすれば嫌気性菌が増殖が抑えられるのでしょうか?

先に説明しましたように、いくら口から空気を取りこんだとしても、唾液中に有効な形で、酸素が供給される事はなく、むしろ、空気の流れが口腔内に発生することにより、口腔内の唾液中の水分がどんどん揮発していき、口腔内の乾燥状態、のみならず口の奥、舌の付け根周辺に密集する、リンパ組織も乾燥状態をひきおこし、舌の付け根やのどの奥に炎症産物である、白いネバネバした物質を溜め込む事になり、口臭のみならず、鼻臭まで発展してしまう事があり、会話時以外の口呼吸は百害あって、一利無しです。