歯医者さんごっこに
怪しい薬


さて、おおよそ歯医者だけは誰もが

避けてとおる場所で.....

「3度の飯より歯医者が好き」という人はいません。

.....けど、いるんですね。そういう人が。

だいたい、日に一人は、必ずいらっしゃいます。

中年からお年寄りに多い。いろんな歯医者を

転々としながら、ほんだ歯科に

居着いてしまわれる。.....

しっかりと...



こういう人は、歯科依存症

わかりやすく言えば歯医者オタッキー

しかも、ゾンビ化していきます。


最初は、ごく普通の患者さんに

混じってこられます。

あっちの歯医者こっちの歯医者で

こういう扱いを受けたとか、ひとしきり

愚痴を聞いてあげ、ひと通りの治療を行います。



普通の方と違うのは、来院されるピッチが

だんだん早くなります。

1週間に1回が3日に1回になりついには、毎日こられる....


来る日も来る日も

今日も、明日も、明後日も..


あっ!また、いらっしゃった!!

ちょっ....ちょっと待ってくださいね..




終わりのない治療....


食べれない、口が乾く

違和感がある.痛い、頭痛がする

口が臭い..毎日歯石を取って欲しい...

....ついには、70歳くらいだけど矯正したいと言い出す....

こられるたびに、言う事が違ってくる

専門用語で不定愁訴といいます。



なぜか、カルテには私のはんこが

ペタペタ押してある....

私と衛生士でキャッチボール

さすがの、衛生士もへきへきします。

暇な時はいいのですけど。

忙しい時は、お話も聞いてあげられなくなります。

もし、聞けば、放してもらえなくなりますから.

取り付かれてしまいます。




毎日こられてるんで、治療もしてないし

一銭ももらえません。コップ代とか人件費とか

丸赤字ですが...追っ払えません。

患者さんですから........


治療でない治療を行います。口の中で治療の振りをする。

実は、何にもしていない。歯医者さんごっこタイム!!

でも、これも大切な儀式なんです。葬式じゃないですよ!

ぎ・し・き

小学生の時、漢字の読みかたで
儀式を「そうしき」と読んでバカうけしたことがあるもんで...


儀式の後は、不思議に治るのです。

とたんに、よくなったとおっしゃる。
(なんでやねん!と思うけど、ほんとなんです。)

次の日は、口が開かなくなったと言ってまた来たれます。

「もう、口が開かなくて食べれなくて...」
「やせ細って...先生..どうか助けてください」

(う〜〜ん、そんなに痩せたとは、思わんけどな)

でも、ほんとに口が開かない。..
.....みたい......



念の為に、大学病院へ紹介。


で...また、もどってこられる。

大学では、やる事はないので

「ほんだ歯科がやってくださるのなら

ほんだ歯科で....」ということらしい



うまいね〜〜


丁寧に報告書付き、依頼書付きで....

そっちで、やってくださるのなら

そっちの方が、私としてはありがたいのですが...


でも、症状には、必ず原因がある訳で..

その頃になると、原因は、はっきりしてきます。

こういう場合は、私は、ついに魔法の特効薬を使います。


すでに、毎日毎日来ておられるから

基本的に、私とは、信頼関係にある。

それを更に強固にする。

怪しい宗教の教祖と信者の関係

「いいですか。私は、いまだかって治さなかった
口の病気はない。(...と、めちゃ大袈裟に言う)

私より上手な歯医者は出会った事がない。(素で耳元でささやく)

でもね、○○さんの病気は、厄介です。

顎関節症第5型といってね。....

これを治せる人は、日本でもそうざらにいないですよ。

でも、心配いらんよ。任せなさい。

私なら治せる。必ず。きっと治ります。」
(ついには、.....空中浮遊してみせる←うそやで。)



(さー次は、イニシエーションだ!!)


「めったに出さない薬なんですど」
(これは、本当です)


「それを処方しますよ。いいですか、...

ただし、副作用もあるから連続できません」
(ここで、わざとらしくもったいをつける)

「いいですか..必ず..食後10分後

...10分後に飲むんですよ。...」


それから、ほとんど不定愁訴は、なくなり、

口も開けるようになり、だいぶ楽になったとか...

こうして、この不思議な薬は

ゾンビを生き返らせていくのです。



えっ!ヤクの正体?

いや、そりゃ、企業機密です。

知りたい?あんたも試したい?

すきやな〜あんたも!

じゃ〜バイアグラと交換とい事で...



え〜全部飲んじゃった!

しゃ〜ないね。教えたげる。

ここだけの話ですよ。



ほとんど、毒にも薬にもならない

乳糖の固まりを薬っぽく作った錠剤

実は、医学的には、何の効果もない

薬のにせもの。(偽薬,ダミーの薬)

placebo(プラシーボ)と呼ばれています。


後は、暗示をかけ、気になっていた事を

偽薬を食後10分に飲むという事に

気を逸らせてしまうのです。



精神療法で、置換とか転換と呼ばれるしくみ

なんです。まるで、ペテンみないな治療も

こういう人には、効くのです。

ちなみに、プラシーボはラテン語で

「私を喜ばせる」ということ


この薬で、何人も喜ばせました。

あーそう言えば、「つばが出ないと言って」

毎日毎日来ていたバーさんも

「べろが痛いべろが痛い」と毎日来てたおばちゃんも

この偽薬で治りました。

それまでの治療とか、何だったんでしょう?


病は、気からとか言うけど

...にしても?

ひょっとしたら........乳糖には

不思議な力があったりして...


バイアグラは、高くてようかわんというあなた。

今夜試してみたら?

乳糖ね....




不二家のミルキーキャラメルに

たっぷり入っています。信じて飲むんだよ。



こんな風にやるんだよ!

ミルキーキャラメルをほおばりながら

この画面をじ〜とみてね!

もし、ぺこちゃんとバイアグラが合体したら

ぺこちゃんが3人に見えるはず

もし、そんな風に見えたら、きっと効くはずです!!


すご〜く、効くようなら

ご一報ください!

待ってます。


でも、虫歯に注意してくださいよ。

歯に、ねちゃつくんで....




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